糊の話し。


壁紙を貼る糊はでんぷん糊です。

『デンプン』って小学校の理科の実験で習いましたね。

たしかジャガイモに試薬を塗って色が変わったらデンプンみたいな(^.^;




小学校で使う糊は、口に入れても安全な“タピオカ”を使っているそうですが…、




壁紙用の糊の原料は“小麦”由来のデンプンです。

小麦は殆どが輸入に頼っているらしいので、海外で小麦が不作とかニュースで聞くと糊の値段が上がらないか心配になります(^.^;




昔はデンプンを釜で煮て糊にしていたらしいんですが、今では“苛性ソーダ”という薬品を使って発熱させて煮た状態と同じ状況を作って量産します。


糊にはランクがあって性能が違います。

モチロン値段も(^.^;


デンプンだけの糊は、


「糊なんかつきゃいいんだよ!」って言う大手に安く使われている職人さんが使います(^.^;


長持ちしないしメーカーによっては塩分濃度が高くて容易に変色するものがあるので当社では使いません。



糊の拭き残しによる変色。3年目でこれです。


原液に水を足してミキサーで撹拌して使う糊なので、稼ぐことだけしか考えていない職人は水をたくさん足してシャブシャブにしてつかいます(@@)

当然ですが長持ちしません。



シャブシャブ糊による接着不良。(クロスを剥がしたあとの裏紙のじょうたいです。)1年半経過時です。



ジョイント(つなぎ目)も持ちません。


で…、


デンプンにボンドを入れた糊は長持ちしますが、メーカーでボンドの種類が違うんです。


Y社のボンドは糊の被膜をカチカチに固めてしまい、貼替え時にクロスをはがす時に逆に下地を傷めやすかったりするので、当社ではメーカーを厳選しています。



石膏ボードに糊(原液)を塗って放置しただけの糊の被膜実験で、これは10年前に自作したテストボードです。

真ん中は壁装用として特許をとっている『エチレン酢ビ』ボンドを使っていて今でも表面がテラっとしてますが、両脇ひどいですね(T_T)



さらに上のグレードに特殊壁紙用に特化したボンドタップリ糊があります。


普通のボンド糊よりも粘性(初期タック)が高く、特殊壁紙のジョイントのおさまりがとてもキレイなんです。



実は今でも一社だけ本当に釜で焚く“煮糊”を作っているメーカーがあります。


実はこれが最高級糊なんです。糊の粒子が大きく材料の表面に糊抜けせず、塩分濃度も低く変色が少ないので、布壁紙や和紙の施工には最強です。



安い糊も高級糊もF☆☆☆☆はクリアしています。


が…、


材料や下地によって当社では糊を選択しています。


最近では大手でも糊を指定したり支給するところもでてきましたが…、


知りもしないでダメ糊を強要されたりもします(T_T)


当社が大手と相性が悪いのはそういうところでケンカしちゃうんです(~_~)


エンドユーザーの事を考えたらダメ糊なんて使えませんから(^^)



ということで、相模原でのクロスの貼替えには、『糊にこだわる』泉内装でお願いします。


次回は『はがれないクロス』の話しでどうかおつき合い下さい。