もともと、ある内装工事業者の専属職人として稼ぐことだけを考えて施工する毎日をおくっていました。そんなときに施工の品質には大きな差がある事を教えてくれた今の師匠に出会って、まだまだ勉強する事がたくさんあることに気付かされました。そこからは妻と2人で糊メーカーの勉強会に参加したり一級技能士の資格を取る勉強をしたり、ただひたすらお客様の願いを叶えるために施工に励む日々です。はじめは上手くいかず悩んだこともありましたが、お客様から感謝の言葉をいただく度に自信をつけていきました。

今の泉内装の強みは他社が扱っていない壁紙を扱っている事でしょう。特殊壁紙は特別なスキルがなければ施工できません。しかしその分機能性があり、住まいのランクを上げられるのがメリット。一般の壁紙でも、やはり施工業者の技術によって仕上がりは大きく変わります。他社にはできないクオリティをお見せできるおかげで、泉内装は成長することができました。

私のモットーは｢初心を忘れず、謙虚に学ぶ」。職人のスキルは、一生掛けても完成しません。学べば学ぶほどスキルは高まりますし、できる施工の種類も増えていきます。だから慢心せずに勉強し続ける。その結果、職人として大成し「壁紙のことなら泉内装」といわれるまでに成長するのが今の目標です。

私が「一級壁装技能士」を目指そうと思った理由は2つ。1つ目は「主人が資格を取ったから」です。一番近くで彼のがんばりを見てきた私にとって、彼の資格取得は刺激になりました。2つ目は「女性の職人でもやれることを証明したかったから」。当時はまだ偏見の目があり、女性の職人は明らかに下に見られていた。そんな現状が悔しくて資格の取得に励みました。

内装工事は天職だと思っています。それくらい現場で苦労することはない。お客様に｢ありがとう」と喜んでいただけたらとても嬉しいし、やりがいを感じます。反対に「辞めたい」と思ったことなんて一度もありません。しいていえば、高所恐怖症なので、高い足場に乗るのは勇気が要りますね（笑）。

夫婦で職人をすることによって、男性と女性の両方の目線からアドバイスができるのがメリットです。主人と2人でお客様と打ち合わせをしていると発見がいくつもあります。「あ、そんなところに着目するんだ」と驚く瞬間もありますし、「私だったら……」と発言することもあるのです。多角的にお客様にアドバイスすることで、よりお客様にメリットを覚えていただけることでしょう。